ステージでのリハーサル・本番について

■■リハーサル■■

ライブの際にステージでリハーサルを行いますが、
これについて以下をよく読んで目的や方法を知っておいて下さい。


リハーサルの目的は、PA側が各楽器の音量を確認、調整し、
本番でバランスの取れた音を1音目から出すためのものです。
ステージで最後の練習をするわけではありませんので、
以下のお作法を覚えておいて下さい。


1.ステージに上がったら

まず音を出せるところまで、できるだけ早くセッティングします。

▼ドラム
タムやシンバルの高さや角度は、ステージのスタッフに手伝って
もらいながら、調整して下さい。叩ける状態になったら音を出さずに
指示を待って下さい。

▼ベース
ベースはほとんどの場合、DI(ダイレクトボックス)に接続します。
アンプの上あたりに小さな箱があり、INPUTジャックが付いています。
DIからアンプとPAに配線されていますので、スタッフに確認をしながら
PAの音量が下がっていて、アンプの音量がゼロである状態で接続して下さい。
接続したらゲイン、トーン、マスターボリュームなどを調整して、
音を止めて指示を待って下さい。
なお、アンプから出る音は「中音(ステージだけに聞こえる音)」と
思って下さい。DIからPAに行った音が外に出ます。中音が大きすぎると
外音の調整ができません。あまり大きくしすぎないようにして下さい。

▼エレキギター
アンプのボリュームがゼロであることを確認してから接続し、音量等を
調整してください。音量はベースに準じ、大きすぎないようにして下さい。
その後、音を止めて指示を待って下さい。

▼アコースティックギター
マイクで音を拾う場合は特にやることはありません。DIに接続する場合は
接続したらそのまま待ちましょう。アンプを使用する場合はエレキギターの
項を読んで下さい。

▼キーボード
電源ケーブルをつなぎ、ステージのスタッフに接続用のケーブルをさしてもらい、
電源を入れたらそのまま待機して下さい。

▼ボーカル
マイクスタンド(使用する場合)の高さなどの調整をしたら、そのまま待機して下さい。

2.音の確認

※リハーサル2バンド目以降は省略されることが多いです

▼ドラム
「キック(バスドラ)を下さい」などの指示が来ます。本番で演奏するのと同じ強さで
その音を「OKです」と言われるまで鳴らし続けて下さい。キック→スネア→タム他
の順で確認したあと、「セットで下さい」と言われたら、エイトビート等にタム回しや
シンバルを含めた全体を使ったリズムを刻んで下さい。セットでOKが出たら
終了ですので、その後は音を出さないで下さい。

▼ベース・エレキギター・アコースティックギター
「鳴らして下さい」と言われたら、本番で演奏する音量で鳴らし続けて下さい。
「他に音はありますか?」と聞かれたら、エフェクターで切り替える音を
すべて鳴らして一つ一つ確認してもらって下さい。
「OKです」と言われたら音を止めて待機して下さい。

▼キーボード
本番で演奏するボリューム調整をし、鳴らして下さい。OKが出た後にギター同様に
「他に音はありますか?」と聞かれますので、使う音色すべてで確認してもらって
ください。OKをもらったら音を止めて待機して下さい。

▼ボーカル
「声をください」と言われたら、歌う程度の声量で「ハー」「ワン」「ツー」など
声を出して下さい。OKをもらったら待機して下さい。

3.曲の演奏

冒頭に書いたように練習ではありません。例えばベース無しのイントロが長いような
曲の場合は、すべての楽器が揃うまで調整が完了しません。いきなりサビから
始める等、すべての楽器が鳴る部分を中心に演奏して下さい。
この際重要なのは、モニタースピーカーから聞こえる音のバランスをよく聞く事
です。例えばドラマーのモニターにベースが聞こえづらいとか、ボーカルが自分の
声が聞こえないので歌いづらいとか、そういった事を気にしながら演奏してください。
1分くらい演奏したらやめて、モニターのバランスを合わせてもらいます。
手を挙げてPAに対して、「ドラムにベースを強めに下さい」「自分の声を大きめに
してください」等のお願いをしてください。
微調整後に再度曲を演奏し、演奏しやすくなっていたら調整終了です。

4.終了後に

楽器のケーブルを外して持ち帰りますが、アンプを使用している人は、アンプの
ゲインやトーン等すべて「自分で再現できる」ように覚えて下さい。メモ用紙に
書いたり、携帯で写真を撮っておくと便利です。
その後接続を外しますが、当然の事ながら以下を注意して下さい。

▼ギター・ベース
アンプのゲイン・マスターボリュームがゼロになっている事を確認し、ベースは
更に1音鳴らしてみて、外音が出ていないことも確認してください。
音が鳴らない状態にしたらシールド線を抜いて終了です。

▼キーボード
鍵盤を押し、音が鳴らなくなっていることを確認してから電源を切り、
電源ケーブルやシールド線を抜いて終了です。

■■本番■■

前に演奏したバンドがインタビューを受けているので、後で静かにリハーサルで
調整した状態に素早くセッティングしましょう。1音だけ鳴らしてみて、確実に
セッティングが終了していることを確認してください。その後ステージにいる
スタッフにOKの合図をしてください。全員がOKになったらインタビューが終わり、
紹介されて演奏を始めます。
必ず「○○高校の△△(バンド名)です。どうぞ!」と言われるので、そこから5分が
持ち時間になります。曲が短い場合はバンド名を言ったり簡単に自己紹介することも
可能ですが、そのために時間がオーバーすると失格になりますのでご注意。
演奏が終了したら必ず「ありがとうございました」と言い、そこでストップウォッチが
止められ、5分以内であれば時間制限クリアです。
演奏終了後はすみやかにリハーサル同様に楽器を片付け、ステージ下手の
前の方に来て下さい。そこでインタビューを受けてからステージを降りて下さい。



リハーサルの目的・方法については、一般のライブハウスでライブを行う場合も全く同様です。
ライブハウスではステージのスタッフが少ないので、自分でやらなければならないことが多いですが、
順番に音のチェックをしたり、楽器が揃う部分の演奏をしてバランスを見てもらったり、
モニターのバランスを伝えて微調整してもらったりします。
また、PAを通った外音が出ていない事を確認してからケーブル類を抜くことも同様です。